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37.モラトリアムから脱出せよ【褒め言葉の威力】

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ルメディカ シャインホワイト

前回から、ずっと悠介くんはモラトリアム人間のままだ。

むしろ内定を断ってしまい、崖っぷちに追い詰められて

さらに沈んでマントルまで行っていたのかもしれない。

でも、彼が悩もうがどうしようが、時間だけは確実に過ぎていった。




うつ状態にも様々な症状があるが、

悠介くんが特にひどかったのは

気分の落ち込み・無気力・倦怠感・不眠だった。

特に不眠は朝まで眠れないことが週に4日はあり、

ついには見ていられないくらいに痩せてこけてきたので

私の通う心療内科に連れていった。




そんなこんなしていたら、試験まであと2週間になっていた。

これはいよいよ彼の人生も、私の人生もまずいことになってきたぞ。

そう思い、彼のやる気を上げる対策を考えた。





悠介くんはパソコンで何かしているか、

ベッドでゴロゴロしていることが多い。

私が食事を準備するともそもそと出てくる。まるでヒモの生活だ。

「ねえ、悠介くん。」

「うん。」

「私ね、今こうして悠介くんと暮らして、心も穏やかになれて幸せだよ。」

「何だよ。改まって。」

「いつも思ってる。悠介くんと出会えてよかったな。」

ああしろこうしろで彼は動くような人間ではない。

言えば言うほど自尊心を傷つける恐れもあった。

ならば違う方向から攻める。

褒められて嬉しくない男性はいない。

私は、彼のイメージボックスを試験までにできる限り育てるという賭けに出た。


『悠介くんって最高なんだよ✨』

『あいしてる✨』

『悠介くん以上の人を私は知らないよ✨』

『本当に出会えてよかった✨』

ヒモ男には勿体無いくらいの褒め言葉だ。

毎日毎日シャワーのようにかけ続けた。

本当にそんな風に思っていたのかって?

思っていたよ。

もし思っていなくても、言葉にすることで本気でそう思うようになるものだ。







−2週間後 試験当日−

試験開始2時間前。彼はまだベッドの中にいた。

「悠介くん!起きて!試験行かないの?」

「もういいよ!行きたくない!」

遠足に行きたくない幼稚園児か。

モラトリアムから抜け出せない24才児はホトホト世話が焼ける。

「とりあえず行って受けて!」

悠介くんを起こし、

洗顔と歯磨きをさせ、

服を着替えさせ、

筆記用具と受験票を持たせて一緒にタクシーに飛び乗った。

この時の状況を一言で表すのなら”引きずってでも連れていく”だろう。






私は祈った。空に向かって両手を合わせた。

長い間降り続いた雨が止んで晴れそうである。

“どうか神様、悠介くんが合格していますように”

都合のいい時にだけ神様を頼っている訳ではない。

帰省した時には地元の土地神様には必ずお参りに行くし、

厄落としは必ず行っている。




結果として、悠介くんは試験を突破して

最終的に公務員として就職することができた。

これぞ奇跡なんじゃないだろうか。

祈りが届いた。空は雲ひとつない晴天になったのだ。

どうしても叶えたい願いがある方は、

神に祈ってみるのも一つの手だよ。


当時のことを彼はこう振り返る。

悠介
悠介

正直に言うと、年が明けてから全然勉強してなかったんですよね。直前になってうっちゃんに色々励まされて、出会えてよかったなんて言われたら頑張るしかないじゃないですか。でも試験当日は憂鬱で行きたくたくなくて。もしも彼女が無理やりでも連れて行かなかったら今の僕はないでしょうね。

恋愛を勝負に例えることがあるけれど、本当にその通り。

自分を賭けてみて、勝つか負けるか。

勝てば幸せに。負けるとどうなるかわからない。

今回はどうなるか先がわからなかったけど、

私は幸せを邪魔してくる目では見えない何かに勝ったのだ。

褒め言葉の威力

これまでこのブログで何度か出てきた『イメージボックス』が今回もキモになってくる。

人は褒められると、2つの行動心理が働く。

①自分を褒めた人に対して好印象を持つ。

②褒めた人の中の自分を良いイメージとして認識する。

イメージボックスを育てるというのは、この行動心理②を利用するのだ。

自分が良いイメージを持たれていると思い、

そんな行動をとったり、優しく態度を変えてみたことはないだろうか。

相手に好意を持っていた場合、その傾向は強くなる。


今まで褒める習慣がない人は、

普段の生活の中で、自分とよく関わる人を褒めてみてほしい。

人間関係がより良くなってくるはずだ。





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