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29.怒りの持続時間

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夏が終わり、歩道脇のイチョウ並木は一斉に黄色に染まっていった。

私と悠介くんは元カノLINE事件という試練を乗り越え、

この夏でかなり親密な関係になっていた。

週に4日は彼の部屋に泊まり、

そのまま仕事へ行く日が増えた。



離れていると寂しくて大好きだと思うのに、

近すぎるとどうしても相手の嫌な部分を

知ってしまう。




私は料理があまり得意ではない。

でも、悠介くんのために毎日材料を買い

クックパッドを見ながらせっせと料理を作っていた。

その日も、作った料理をテーブルに並べて二人で

食べていた。



「うつ子さんの料理本当美味しい。」

「ふふ。ありがとう。」


どうってことない恋人たちの憩いの時間である。

自分が頑張って作った料理を美味しそうに

食べる彼を見ていると嬉しかった。

どうして恋人と一緒に摂る食事は美味しいのだろう。

大切な人とたわいもない会話を織り交ぜながら、

笑顔がスパイスになっているからだよいきなりどうした






「ごちそうさまでした!」

悠介くんが笑顔で言う。


「俺さ、市場価値がなくても、うつ子さんのこと好きだよ。」








はい?

コイツ、ナニイッテンダ??




彼が何を言ったのか理解できず固まった。

そして次の瞬間には泣いていた。




「え?え?なんで泣くの?」

男の人は鈍感が多いとは思っていたけれど、


お前もか、ブルータス



前回の記事を最初に読ませるべきなのはコイツだったか。

「だって、市場価値がないとか普通言わないよ?」

「俺が言いたいのは、世の中の人がうつ子さんのことどうでもよくても、俺は好きだって言いたいんだよ。」

彼は火に並々と油を注ぐ。

さすがに私も怒る。

「自分がそう言われたらさ、傷つくでしょ。

なんで思ったことをそのまま口に出すの?一回考えてからにしてよ。」

「あのさ、一般的に見てうつ子さんが可愛くないの俺だってわかるよ。それでも好きってことなんだから良いことでしょー。」



やっぱり前回の記事はコイツに読ませるべきだった。2回目。

私は食べ終わった二人分の食器を台所の流しに残したまま、

財布とスマホだけを持って部屋を飛び出した。



−2時間後−



「ただいま」

「おかえりなさい。」

それと同時に抱きしめられた。

悠介くんは鍵を開ける音でわかったのか、

玄関で待っていたのだ。


「うつ子さん、ごめんね。よく考えたらかなり最悪なことを言ってた。」

玄関開けたらごめんねと彼氏の抱擁。もう許すしかないじゃない。

ちゃんと考えてくれて、わかってくれて嬉しい。

そのままだった食器も洗われていた。



これ以降もたくさん無神経なことを言われるのだけれど、

それはまた別のお話。

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怒りの持続時間

人間は感情がある動物だ。

他にも感情がある動物もいるけれど、

人間ほど複雑ではない。



人の“怒り”に持続時間は、長くても2時間だとする研究結果がある。

私は今回の件のように、悠介くんとケンカになりそうなことあったら

2時間〜数時間は彼から離れるようにしている。

お互い負の感情を持ったまま話し合っても、

解決には至らないと考えるからだ。

『頭を冷やす』と言うことわざがある。

頭を冷やす(読み)アタマヲヒヤス

興奮した気持ちをおさえる。気持ちを冷静にする。「―・して話し合う」

引用元:コトバンク

怒りの持続時間は2時間。

そう考えると、このことわざは理にかなっている。

お互いに怒りの感情が高ぶっている時は、

2時間以上は相手から離れてみてほしい。

戻ってみれば、お互い不思議なほど冷静になっているかもしれない。






余談だけれど、実際に頭を冷やす商品もあった。

実際に頭を冷やすことで、

ストレス発散になるみたいだよ☆

これを頭に振ることで、すぐに怒りも治るかもしれない。






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