スポンサーリンク

42.クリスマスイブ

スポンサーリンク
ルメディカ シャインホワイト

悠介くんと付き合うようになってから、

生活すべてが変わった。

住むところ、仕事、好きなものも変わったし私の精神状態も。

二人とも人生がうまくいってなかったから、

マイナスとマイナスが合わさってプラスになったのかな。

人間て合う合わないがあるとは思っていたけど、

まるでお互いのパズルを合わせたら一つの絵が完成するように

全部がうまく行っている。体感できるほどに。





彼と住みだして2回目のクリスマスイブが迫ってきた。

今年のは今まで経験してきたクリスマスイブとはわけが違う。

前回の事が間違いでなければ私はこの日にプロポーズされる。はず。






という事でクリスマスイブ当日。

この日が来るまで私の心は半信半疑、まではいかないけど

7信3疑くらいだった。

だって悠介くんは露ほどもそれらしい言葉や態度を

出さなかったから。そもそも20代の健全な男子が、

本当に30代のおブスに結婚を申し込むのだろうか?

そんなのテレビくらいでしか見た事ない。





昼から二人でお気に入りのカフェでランチをして、

街をぶらぶらする。いつものデートコース。

街はイルミネーションが綺麗で大勢の人で盛り上がっている。

その年の冬はそんなに寒くなかったけど、

私と彼はぴったりくっついて歩いていた。

どのタイミングでくるんだろう?




「ちょっと座って休憩しよっか。」

「うん。」

イルミネーションが光り輝く公園の中に入り、

小高い丘に並んでいるベンチに座った。

さすが年末の大イベント。イルミネーションの効果もあって人で溢れかえっている。

『ねえ、あれ』

隣にいた若い女の子グループがこちらを見てコソッと言ったのが聞こえた。

『付き合ってるのかな?』

コソコソコソコソ聞こえる。もうちょっとコソッて欲しかった。

その中の一人の女の子が

『素敵』

するとグループ全員が同調した。リーダー格なのだろう。







悠介くんの方を見ると、緊張した顔をしている。




「うっちゃん。」

ポケットから指輪の箱を出して開いた。

隣の女子グループも「キャー」「え?プロポーズ?」とざわざわとしだした。

私も彼の緊張が伝わって、心臓の鼓動が大きく速くなる。

悠介くんは大きく深呼吸をして、ゆっくりと話し出した。




「うっちゃん。俺はうっちゃんに会えて本当によかった。LINEのこと、今でもまだ悪いと思ってるよ。傷つけてごめんね。でも、本気で怒ってくれて嬉しかった。こんな俺に。付き合ってみて、一緒に暮らしてみて、うっちゃんがどれだけ俺のことを想ってくれてるのかわかった。だから、こんなに大切な人は一生離したくないです。結婚してください。」





そう言って指輪を差し出した。

私は口から手、ではなくて喜びが出てきそうなのを堪えて

「もちろんです。はい。ありがとう。これからもよろしくお願いします。」

精一杯の返事をした。涙が溢れてくる。

彼が私の左手薬指に指輪をはめた。そして抱きしめあってキスをした。



クリスマスで人で溢れかえってたおかげで目立たずに済んだ。

隣の女子グループを除いて。




女子グループの女の子たちに「おめでとう!」と拍手で

見送られながら公園を後にする。ありがとう。




「ねえ、悠介くん。」

「なあに?」

このやりとりを今まで何回しただろう。

そして、これから何回していくんだろう。

悠介くんの手に私の手を添えると、あったかい。

二人で同じ道を帰っていくのだった。




第1部 完

タイトルとURLをコピーしました