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5.人生の選択肢

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ルメディカ シャインホワイト



初めましての方は第1話からどうぞ✨



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何年か前に“ジェンダーレス男子”という言葉が流行り、

あちこちにジェンダーレスを謳う男性読者モデルが誕生した。

そして、ブームはハヤブサが飛ぶスピードのごとく駆け抜けていった。

ジェンダーレス男子のブームは終わっても、

中性的な男性は可愛いもの好きの女性にウケがいいことは変わらない。

悠介くんはまさに中性的な男の子だった。








「こんにちは。うつ子さんですか?」

「そうです。悠介くんですよね。」

私は今まで接したことがないタイプの男の子を前に

大人気なく緊張した。

『まつ毛が長いな。鼻も高くて綺麗。』



イケメンが!!

来たよ!!(*⁰▿⁰*)



私は彼に出会わせてくれた神様と、

今までの自分の行動に感謝した。





私たちは近くのドーナツショップに入った。

全国にある某有名チェーン店である。

色とりどりのドーナツが並べられており、

子どもから大人までドーナツを楽しめるお店だ。

ドーナツの見た目はとても可愛いのだけれど、

カロリーと脂質は可愛くない。



「どれにする?」

トングとトレーを持った私は笑顔で悠介くんに聞いた。

「俺はコーヒーだけでいいです。」

そう言うと、さっさとレジへ向かってしまった。

まあいいのだけれど。



ドーナツとコーヒーを持って、

先に会計を終わらせた悠介くんの待つテーブルへ行き

向かい合って座る。

それからは本当にたわいのない話をした。

悠介くんが最近会社を辞めただとか、

私も職場でうまくいってなくて辞めたいとか。

二人とも仕事というカテゴリーで悩んでいた。

なんにせよ共通点があることはいいこと。


「彼女はいないの?」

マッチングアプリをやってるんだから

いたらおかしいのだけど、

彼女がいても出会いを求める男性はいる。

私の元彼のように。

正確には彼氏だけど、

エアー彼氏も元彼も同じとしておく。






「3ヶ月前に別れました。今はいないですよ。 いたらここにいないでしょ。」

質問が可笑しかったのか、はにかんだ笑顔で答えた。

でも目が笑っていない。闇が深そう。






マッチングアプリで初めて会う時は、

最初からアレコレ深い質問をしすぎるのはオススメしない。

特に女性からはしつこいイメージを持たれてしまう。

それに、個人情報をわざわざ初対面の人に言いたくない。

私と彼も、主にニュースや芸能人の話で会話を楽しんだ。





外を見るともう暗くなっている。

ドーナツショップを出て、

悠介くんが一言放つ。

「これからどうします?」

二人ともなんとなく帰りたくないような空気に包まれた。




「添い寝しに来ます?」


一言目に続き、空気を変えたのは悠介くんの方からだ。

どうする、私。

私はアラサー。

片や目の前に居るのは20代の今時の男の子だ。

行くか、帰るか。

どちらが正解なのかわからない。

人生の選択肢。そんなドラマあったっけ。

ここで“やめる”を選べば、またいつもの日常に戻るだけ。

変わりたい。




私「はい。お願いします。」



二人で歩きだす。



道路を走る車のライトが次々と悠介くんの背中を

照らしていて、私はその後ろを着いていく。



お酒を飲んだわけではないのに、

なんだかフワフワ楽しい気分。

これからの展開を予想して、脳からドーパミンが出ているんだろう。





ベタな話だけれど、見慣れている街並みが

いつもとは違って全部がキラキラして見える夜だった。

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